ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2016-06-11

もじこ塾特別セミナー「出来るが先、知るは後、B.B.メソッド」

16/06/18 1ヵ所訂正しました。難波先生、ありがとうございます。

BBカードの考案者、難波悦子先生(セルム児童英語研究会)をお迎えして、ディスレクシア英語指導にBBカードをどう取り入れたらよいかを考える、スペシャルなセミナーを行いました!

難波先生、もじこ塾のセミナーにご登場下さり、本当にありがとうございます。
BBカードとその理念をしっかりと学び、ディスレクシア英語指導に生かしていくことが、感謝の気持ちをお伝えすることになると思っています。

今回は、参加者のY. I.さんが、講演録を作って下さいましたー!!
ありがとうございます!!
こちらで取っていたメモから少し補足して、ご紹介します:

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冒頭、もじこさんより以下の紹介がありました。
「本セミナーが開催されるきっかけは、20163月に東京で開催された英語教育UD研究会で、難波先生ともじこがそれぞれプレゼンテーションを行い、難波先生から、「ディスレクシア英語教育は大から小であるべき」がBBカードの理念に一致しているとのご指摘を頂いたこと。今日は、難波先生に、3月のプレゼンと同じ内容をお話していただき、ディスレクシアの子供の英語教育について悩みを抱えている参加者の皆さんと共に、私(もじこ)自身も多くのことを学びたいと考えている。

 本セミナーの準備として、参加者の皆さんが抱えている悩みなどについて難波先生にメールでお伝えし、お返事もいただいている。難波先生のメールには、深い言葉が溢れているので、読みあげる形でご紹介したい。『これまでの日本の語学学習法は、易から難へ、そしてspoon feeding(スプーンで口に入れてあげるような方法)で、やってきた。その結果として、教師が子供たちを見て言うことは、英語が聞き取れない、言えない、読めない、書けない、といったないない尽くし。しかし、これは教師の側から見ただけのこと。教師が教えれば教えようとするほど、子供は学習の緊張から逃れられない。子供を学習の緊張から解放させてやることが重要。』 
また、戦後の英語教育は、Jack and Betty以降、70年間変わっていない。なぜなら、ALTが入っても、オールイングリッシュ形式になっても、"教える"という点は変わっていないから…とも。
ご紹介はここまでにして、難波先生、よろしくお願いします。」

☆  ☆  ☆

難波先生のご講演の趣旨は次のとおり。

1.BBカードメソッドの基本は「教えない」
「教えない」とは、「生徒がすでに持っているものを基に、気づかせる」ということ。
「生徒がすでに持っているもの」とは、英語の知識ではない。わからないことの意味を推察する力とか、羅列されたことばの中から自分なりに規則性を見つける力など、その子がすでに持っている能力のこと。
子供を観察していると、それぞれ強い力が異なる。Visual(視覚能力)が優れた子、Auditory(聴覚能力)が優れた子、Kinesthetic(身体能力)が優れた子など、それぞれ異なる。その子が得意な力を生かしてやることが大切。

2.BBカード誕生のきっかけ、理念
もともと、BBカードが誕生したきっかけは、私(難波)の英語教室にいた、言い方は悪いが、箸にも棒にも引っかからないような子供たちが楽しんでできるようにと考えたこと。
教師が教えようとすればするほど引いてしまい、自分の殻に閉じこもろうとする生徒がいる。このような子に対し、どうするか。

「サ・シ・ミの法則」というのがある。50年前に石神井中学の先生が言ったこと。
学校の1つのクラスのうち、上位3割(「サ」)は、教えなくても自分で規則性を発見して学んでいく子供、
その次の4割は、教えられて何度も練習すれば身についていく子供(「シ」)、
残り3割は教えられて何度も練習しても、残らない子供(「ミ」)となる。

言語学者のクラッシェン(Krashen)が言っているように、ことば(言語)というものは意識的な学習によっては身につかない。特に、EFL環境(英語が外国語である環境)にいる日本の子供たちは、学習によって英語を身につけるのではなく、自然に気が付いたらできていた!となるのが良い。そのためには、現在、学校で教えているような文法事項などの明示的知識をいくら教え込んでも、自分から発話する瞬発力は出てこない
反対に、BBカードで遊んで、はじめからセンテンスを言えるようになっていれば、子供は必死に覚えなくていい。ただ言うだけで良い。「おまじない」も、カードの「センテンス」も、言えるところだけで良い。

3.実際にBBカードで遊んでみる
それでは、実際に、本日の参加者の皆さんに4人一組でチームになって、BBカードで遊んでもらいたい。
まずはダイヤのカード16枚を使った「基本ビンゴ」。
(「shuffle your cards」と声かけし、4×4にカードを並べてもらう。
カードを配り、並べてもらっている間、「おまじない」として、不規則動詞の活用を先生が言い、生徒にリピートさせる。take-took-taken-takingなど。
配り終わったら「おまじない」も終了。「おまじない」の意味は一切解説しない。)

私(難波)がセンテンスを言ったら、まねして、子供の気持ちで、どのカードか考えてほしい。
(先生が"Lucy Locket lost her letter."と字札を読み、生徒役は絵札をあてる)

子供がわからなくても「どれかな?」と言って考えさせる
全部はわからなくても、letter という言葉で推測できて、あてられる子がいる。あたったら「ピンポーン!」「あたり!天才」、外れたら「ブッブー!」、それだけ。「できた/できない」ではなく「あたり/はずれ」だけ。楽しめばよい。
その過程で、「Lucy Locketちゃんは、何をなくしたって?」(「手紙」)「そうだね、letterをなくしたんだね」というような「意味をとるための質問」をすることで、letter という単語を知らない子でも、音と絵を見て、「letter =手紙」というのが、その子の中で結びつく。
自分からピックアップするように持っていく。

 1つのセンテンスの中のすべての語を、最初からわかる必要はない。あいまいさに慣れていってほしい。
「あいまいさ」に耐えられる力をつけていくことが大切。
あいまいな状態でもセンテンスを言えることが、後々、文法を学ぶ時に、帰納法的に納得できることにつながっていく
このあいまいさに慣れさせるため、B.B.カードは、いちばんやさしいダイヤのカードからでも、機能語(前置詞など)を多用したセンテンスや、過去形、未来形、現在完了形などいろいろな時制のセンテンスを入れている。
B.B.カードは全部で64枚あるが、これで英検3級レベル(中学校終了程度)の文法事項をすべてカバーしている。意味がわからなくても、言えるようになればよい。

(ここで会場から質問。「カードの意味を教えてほしいと言われたら?」
難波先生の答え「『わかったら教えて』と言います」)

文法を気付かせるとは:
Ken  keeps me waiting.
Kate keeps me waiting.
Ken and Kate keep me waiting.
と言えば、子供たちは気付く。

Happy Henry has gone to Hawaii.で、
「Happy Henryちゃん、どこ行ったかね?」(「ハワイー」)
「じゃあ、Happy Henry が北海道に行ったら?」
「(Happy Henry has gone to Hokkaido)」

 はじめから、子供がすらすら英語のセンテンスを言えるわけがない。何度も、ビンゴやゲームなどの遊びを通じて、絵と音に触れていき、反復を自然な形で繰り返すことで、潜在意識の中に、絵と音を内在化させることができていく。
そのためには、手間暇をかけていかなければならない。ことばを覚えさせたいなら、手間暇をかけないと無理。

特定のグループが勝てるよう、読む字札を調整することも。これはほめるため。
こういうことのできるゲームなら、できる子とできない子の垣根を作らない。

さらに遊び方の紹介。
・神経衰弱
(例文を聞いて、対応する絵札を表にする。正解した人、つまり対応する絵札を表にすることができた人が、次は例文を読みあげる役になれる)
大人はテキトウな札を選ぶが、子供は自分がビンゴになるような絵が返せる札を読む。このとき、子供は右脳と左脳を使っている。

・ただ言えるだけの例文をもとにした遊び。
(子供が64文をすべて言えるが、意味はわかっていない状態で、
例えば、Gentle Giraffe looks at George.に対し、
先生が、Gentle Giraffe likes to look at George.と言い、生徒も繰り返す)
2~3枚繰り返すと、likes toが入る。何をやっているか分からないまま、言えてしまう。

教えることに熱中すると、「覚えた/覚えていない」で判断してしまう。
だが「言えればいい」なら、いつの間にか覚えてしまう。

子供が言えるようになった時点で、意味を聞く。
「わかって、納得して、覚える」だと、わからないものは覚えられない。

スプーンフィーディングの弊害。通常の反復では、I amばかり反復して、次にYou areばかり反復するという方法をとる。そうではなく全体で入れる、つまり、is/are/wasを同時に入れる。未来形などもこの方法で入る。手間暇はかかるが。

「なんだか分からないができる」は英語嫌いをなくす。

4.BBメソッドの基本三原則
BBメソッドの基本三原則は、
(1)全体から個へ、
(2)基本は遊んで学ぶ(学習ではない)、
(3)いい加減が好い加減(言葉の曖昧性に耐えられる力が生徒自身の「気づき」につながる)、というもの。
これによって、特に小学校段階でBBメソッドを取り入れると、
(1)反復というルーティンワークを子供に悟られずに行える、
(2) 「遊び」という形式をとるため、できる子とできない子の垣根を作らない、間違いを恐れない、
(3)英検3級レベルの64センテンスが身体にしみこんでいることが、中学以降の英語学習のよりどころとなる、
(4)文法については中学校で帰納法によって気づける、
というメリットが生まれる。

5.BBカードの学習段階
BBカードの学習段階は、
1段階が「絵と音の一致」
2段階が「音と意味、音と文字の一致」
(先生の言葉の模倣と反復を繰り返すことにより、いつのまにか記憶に定着する)、
3段階が「置換(substitute)と変換・転換(recast)」
(転換とはlikes toを加えることなど。recastでは訂正を大げさに行わないことが大切。子供の発言をそのまま受け止めてからさりげなく言い換えれば(「takedね、took」)、子供はこっそりと正解を学ぶ。
難波先生から、訂正のご依頼がありました。
たいへん勉強になるので、そのままの形で掲載いたします。
recastでは子どもの間違えた表現を先生が繰り返すことはしません。
ですから、「そうね。」といったん引き受けて、間違えた子に向けてではなく、全員に「took」とリピートを促します。

こうすると、間違えた子は自分の間違えたことに気づきつつ、先生が聞き間違えてくれたことで恥をかかなくて済みます。

しかし、過去には「先生、○○ちゃんは間違ったこと言ってたよ」などと小さな親切(?)を発揮してくれる子もいたりしましたが・・・。そんな時でも「あら、そう?」で済ませます。

「子どもの間違えを先生が繰り返さない」はrecastの鉄則(?)と言ってもいいかもしれません。


4段階が「選択(類推による作文)」。

 第3段階の置換とは、主語や目的語を置き換えることにより作文の練習となる。変換は時制を変えること、転換は基本文をもとに違った意味の文に変えていけること(例:Betty Botter wants to buy some butter. She likes to buy some butter.)である。

 この段階ができたら、第4段階の「選択」が可能となる。
ここでは「BB作文」を行う。(2枚のカードの、主部と述部を合成した文章。Betty Botter has gone to Hawaii、The flying rabbit will get to the forest to buy a cake.など。)そこから文型練習、自由作文、会話など変形練習を含む文法練習が可能となり、自分で発話、作文することができるようになる。

 BBの反復と学校の反復の違い。学校とBBでは、反復の回数は同じだが、BBの方が広範。学校では、I likeならI likeばかり反復し、その後二度とI likeの反復に戻ることはない。

インプットの重要性。BBの後は本読みと、先生とのインタラクションが大事。そしてインタラクションのためには、核になるものが必要。それが64文。
外国語環境になくとも、この核があれば、そこから広がっていける。

小学校でBBカードを導入する利点。
(1)ばらつきのない小学校英語教育が可能(学校外での学習歴に関係なく、みんなで一緒に楽しめる)
(2)英語の専任でなくても使える。CDがあるから。学校の先生もCDを聞いているうちに覚える。
(3)帰国生の子に読み手になってもらうなど、できる子も退屈させない。
(4)英語の素地を作れる。リズム、イントネーション、アクセント、リエゾン。文字。準動詞までの文法。そして作文まで。
BBカードは遊びだから、間違いも許される。間違えたくない環境だと挑戦しなくなる。その姿勢だと英語は苦手になる。いいかげんでOK。それでも、だんだんもやもやがはっきりしてくるもの。

多読vs.訳読。
多読によって本が読めると、英語が好きになり、自力で英語力を高めていける。つまり自己教育力がつく。

BBカードの目標。
難波先生の目指す、BBカードで遊びまくった子供の小学校卒業段階での目標。
最低段階は、64のBBセンテンスを自分で言えて、意味がわかること。
その次の第2段階は、センテンスの変換、転換ができること。
最終目標である第3段階が、センテンスを自分で作れること(自発的な作文と発語ができること)。

6.ビデオ鑑賞:
最後に、実際の子供たちの様子をビデオで見てほしい。(ビデオ鑑賞で、講演は終了。)

☆ ☆ ☆

質疑応答(主なもの)
Q. ディスレクシアや学習障害のある子でも、BBカードを通じてセンテンスを言えるようになったとしても、どこかの段階で、言えるようになったセンテンスを「読む」という段階が必要になると思うが、どのようにしたら読めるようになるのだろうか。(もじこ)

A. 自分(難波)は、これまで、ディスレクシアのお子さんを指導した経験はないので、ある北海道の先生の手記(LDやディスレクシアのお子さんの指導に関するもの)を参考として配布した。
ただ、BBカードに遊びを通じてセンテンスを諳んじられるようになった子どもでも、字カードを見て、すぐに読めるわけではない。最初は絵カードと字カードの番号でどの文が分かり、語を図形的に捉えて、全体語形的に読んでいる。ただ、それを繰り返していくことで、子供自身が「読める!」という自信をつけていく(途中で番号をシールで隠すことも)。


Q. 文字学習を始めるタイミングは、いつになるのか?

A. BBメソッドでは、最初にアルファベットは教えない。ただ、例えば1時間のレッスン全部がBBカードというわけではなく、最初は英語の歌を歌ったり、Simon Saysのゲームなどをやったり、英語の音やリズムに慣れる時間はとる。その中で、自然にABCソングなどを覚えていく。BBカードの64センテンスを完全でなくても覚えて、言えていたら、フォニックス的な遊びをやって、音と字の一致を図っていく。たとえば、Betty Botterのセンテンスに”b”の音がいくつ入っているかな?と聞くゲーム等を行う。


Q. BBメソッドでは、フォニックスをやるタイミングがかなり遅い、というかアンチ・フォニックス的な立場だなと感じたが、どの段階でフォニックス的な指導をするのか?(もじこ)

A. 実は、フォニックスはいつから、どこから、入れてもよい。フォニックスの規則性を教えたとして、自発的な発語につながるわけではない。ことばは規則ではないから。まず、音を入れておいて、音の認識ができなければ、ダイヤのカードのセンテンスの韻を踏んでいることの規則性に気づくことはできない。
Betty Botter bought some butterに対し、How many B sounds are there?(いくつBの音が入っている?)と聞くが、正解するには年月を省いてはならない。せっかちはいけない。

BBカードを説明するにあたり使っている枕詞がある。それは「だまされたと思ってやってみて下さい」(会場笑い)。
覚えられる子はすぐに覚える。座っていられない子、飽きっぽい子は、ただ教室にいればいい。そこにいれば、そのうち覚えるから。


Q. 難波先生の著書(下記、参考文献1.)によると、10週間で64全てのセンテンスを入れる必要があると書いてあるが、実際に、レッスンで使っていると、とてもそのスピードで入れることは難しいと感じるが、どうすればよいか。

A. 最初の10週間で、64のセンテンスを完璧に覚える必要はない。あくまで、64のセンテンスに「触れさせる」のが大切ということ。
64のセンテンスに、英検3級レベルまでの基本文のエッセンスが詰まっているので、早い時期に触れておくことで、英文のあいまいさに耐えうる力をつけさせることが可能となる。
BBカードは、ダイヤは頭韻で、ハート、クローバー、スペードと、だんだん言いにくくなっていく。だが、これが易→難の順だと考えるのは思い込み。4種類、すべて同じように扱ってよい。
順々に扱っていく途中で教室に新しく入会する子もいる。それもかまわない。たいていの子は、自分が入会したときに扱っていた種類(ハートなど)が一番好きになる。


Q. BBカードは、ビデオに出てきた通り、下は3歳から可能だと分かったが、上は何歳くらいまでを想定しているか?

A. BBカードを製作したときは、小5の子を念頭に置いていたが、広まるにつれ、だまされた人(笑)の中には、下は3歳くらいから使う人も出てきた。この年齢の場合は、字カードの使用は想定していない。また、BBカード以外の読み聞かせや歌などもたくさん行う。字は学童期から。


Q. 中1ショック対策として、BBカードをどう使えるか、何か提案はあるか。

A. BBカードの使い方は、年齢を問わず同じ。まずオトを聞かせ、言えるようにすること。
授業を捨てる覚悟が必要かもしれない。

もじこ:学校のテストでは習熟度がはかられるわけだが、ディスレクシアだと、どうしてもそのペースに合わない。だが、目の前のテストができるようになりたいのか、それとも英語の運用力を身に付けたいのか。BBカードは後者を可能にしてくれるのだから、学校のテストは割り切る覚悟が必要、なのかもしれない。

(参考文献)
1.難波悦子『続・カードで遊んで英語大好き!―「B.B.カード」活動集』(東京図書出版会、2007年)
2.和泉伸一『「「フォーカス・オン・フォーム」を取り入れた新しい英語教育』(大修館書店、2009年)

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難波先生、ありがとうございました!!

出席者の感想より:

◆先生のやることは「教えない!」そのかわりに「考えるきっかけを仕込む」ということがとても勉強になりました。

「つみあげない」「教えない」にまず衝撃を覚えました(汗)。英語は勿論、他の教科も基礎からやって、コツコツと覚えてきましたから…
他の教科はともかく、英語に関しては、結局聞くのも話すのもできないし、従来の英語学習ではまず親である私が挫折感を抱いています。挫折感の理由も、今回腑に落ちました。「英語のあいまいさを許容する」は自分はとても苦手だし、「間違えたらはずかしい」もとても根強くあります。英語が苦手な理由はその辺りなんだとわかり、ディスレクシア要素のある子供には、BBカードで、覚えない英語のスタートをさせてあげたいと思いました。

◆ディスレクシアかも?な生徒さんが何人かいて、悩んで参加させて頂きました。教えずに"あいまいさ"を残したままゲームをするというのは目からウロコでした。
BBカードは、正直ハードルが高いかな…どうかなと迷い中ですが、今日のセミナーはたくさんのヒントを頂け、とても勉強になりました。ありがとうございました。

◆マニュアルありきのレッスンを、渋々ながら受け入れて指導する身には、素晴らしく目新しく新鮮な内容でした。"だまされて"みようかしらと思いました。

教えないで遊びのなかで、身につけさせる。全体を覚え、部分にうつる。定型の子たちにも、もちろん大切なことだと思いますが、ディスレクシアの子たちにも非常に助けになるメソッドだと思いました。
ただ、やはりディスレクシアの子にとって、一番の難関は、正確に読んで書くこと。この部分は、BBカードのその先で、これから考えていかないといけないのかなと思いました。とりあえず導入としては非常に有効だと思いますし、定型、ディスレクシア関係なく、みんなで楽しんで遊べるところが、すばらしいですね。

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もじこの感想

「ディスレクシア英語指導は"スモールステップ"が鉄則と言われるが、BBカードはその真逆のアプローチ。この2つにどう折り合いをつけるのか」という質問を事前に頂いており、私もずっとそのことを考えながら拝聴しておりました。

語学学習は、全体像・・・その言語の音が響いている様子を目の当たりにして、その言語の音楽(と私は呼びますが、リズムやイントネーションを含めたリアルな会話の世界)に少しでもひたることがすごく重要で、スモールステップはその後に行うべきものだと、今は考えています。
ジョリーフォニックスにしても、道村式漢字カードにしても、言葉の音楽に触れていることが前提で(前者は英語、後者は日本語)、それなしでいきなり取り組むと、ディスレクシア的にはいくらスモールステップでも、苦しいものになるようです。
そういう意味で、BBカードは、"言葉の音楽"を教室に作り出すことができるという点で、画期的な教材だと感じました。

難波先生の生徒への声かけ自体は、とても、とてもスモールステップです。
正解を全部与えず、本当にちょっとした訂正だけで、そこから生徒自身に考えさせます。この声かけの仕方は私も、もじこ塾春期講習や予備校の授業ですでに取り入れており、生徒がすごく主体的になると感じています。

一方、やはりディスレクシア的には、ある種のことをスモールステップで"教える"ことは不可欠だろうとも、今回の講演を聴きながら思いました。ディスレクシアは「サ・シ・ミ」の「ミ」のさらにどん底の子たち、中学3年間英語の授業を受けても、theが読めないこともある子たちです(実際にいました)。こういう子には、ある部分は"気付かせる"のではなく"教える"ことが不可欠で、この部分にいつまでたっても自力では気付けないことが、学習障害と呼ばれるゆえんかも、、と思いました。

数人のディスレクシアの中学生を教えた経験では、「今から私が教えることが分かれば、こういうことができるようになるよ」と見通しを示せば、ディスレクシアなら理詰めでの文法説明も、なかなか覚えられないフォニックスも、"教える"ことに頑張ってついてきますし、むしろ教わることを望んでいるように思います。
・・・と質疑応答で申したところ、「もじこ先生は努力できない子を見たことがないのでしょう」と難波先生からご指摘を頂きました。
これは深い!!以来、ず~っと考えています。で、今思うことは・・・
「はい、私がこれまで出会ってきたディスレクシアの生徒は全員、努力できる子たちです」
ディスレクシアの子は、誤解を恐れずに言えば、原則として努力家だと思います。小学校入学と同時に「なんでみんなそんなに読めるの?」と密かに焦ったり、「書き取りの宿題が終わるまで居残り」といった仕打ちを受けたりしていれば、自然とそうなるでしょう(ノД`)。天然や多動のせいで努力家に見えないケース(笑)もあり、また努力の到達点は知能によって異なるでしょうが、少なくとも純粋なディスレクシアは努力する人種だと私は思っています。
ごく少数、10代前半で、勉強する姿勢(→文字通りの)ができていない子はいましたが、それは体幹が整えばずいぶん変わると思います(しかしこれは、非ディスレクシアにも言えることかもしれません)。

2016-06-02

道村静江先生が初めて、保護者向けセミナーを行いました。

道村式漢字カードの使い方を、考案者の道村静江先生自らが解説する
セミナーを行いました。
全国を飛び回って普及活動を続ける先生ですが、
保護者向けに話をするのは、意外にも初めてとのこと。

ひとたび口を開いたら、道村節の圧倒的な勢いが会場を覆い尽くす!!!!
予想通り、ものすごい気迫とパワーに満ちた道村先生でした。

皆様の感想もそのことを物語っています。ありがとうございます:
◆とてもエネルギッシュな道村先生のお話に引き込まれました。学校の内部のこと(現場のこと)をよく知っていらっしゃる先生だからこその具体的な注意ポイントを教えていただき、今ひとつ使いこなせていなかったカードの効果的な使い方がよくわかりました!
最低限の努力は必要で、その部分は徹底的にやらせる覚悟が必要というお話は、強く沁みました。親は覚悟とユーモアが必要ですね!
◆カードを購入しましたが、ついつい今やっている宿題と連動させてカードをやっていたらなかなか進まず、今は休止していました。
やはり2、3年生を徹底してやろうと、私が楽しんでやろうと心に決めました。というか覚悟を決めました。
先生のパワフルかつ楽しい説明に、まず私がグイグイひきこまれました。いいきっかけをありがとうございました。
「この子の親であること」「この子を社会に(この子なりの)一人前にして出すこと」の覚悟を先生から目覚めさせられたような気がします。
◆漢字カードの使い方のポイントがよく分かりました。勉強嫌いで、今までカードを使うのを嫌がって使えていませんでしたが、先生のように、テンポよく元気に楽しくできれば、本人のやる気が出るのではないかと思いました。
親の私が楽しくやってあげようと思います。 
◆…日々の学習に追われ、復習が出来ずにいましたが、改めて、戻ることの大切さ、現在小3でこのメソッドに出会えたことが、とても幸運だったと思いました。

まとめると、
「最低限これだけは」を見極めて、それだけは徹底的に習得。
教える側が心から漢字に興味を持つ。
2~3年の漢字(の部品・部首)を覚えれば、その後はその組み合わせで覚えられる。

以下、当日の道村先生のお話です。

☆ ☆ ☆

道村式漢字カードは、盲学校の子に漢字の字形と音訓読みを面白く印象づける方法として、たどりついたもの。
このカードを使うと、ほとんどの子が楽に覚えられるが、なかにはカードを見て何度も書いて覚えている子がいるらしい。
その使い方は間違っている。書いて覚えるのではない。
これから話す方法には根拠がある。その方法で進めてほしい。

~ ~ ~


1年生の40の基本漢字は書けるように。
最終的には、漢字を書けるようになるのが目標。でも書く練習は最小限にしたい、というのがこのカードの立場。

1年生の基本漢字40字(日、田など)。ここはしっかり書けるように。

また、11の部首・部品(気の外側、六の上など)も。
道村式カードでは、これらは初出の時は、非常に細かく丁寧に教える。
※目の見えない子が漢字を分かるようにするのが目標なので、
それはそれは懇切丁寧です。[詳しくはカードで]
※ディスレクシア的には、あわせて「体を大きく使う」と良いと思います。
(飛び上がるような巨大な空書き、新聞紙に書くなど)
唱えるのに加え、体を使うという多感覚式です。
ひとやね(金の上)は「屋根なんだからもれちゃだめ」などと言えば、子供は面白がってくっつけるようになる。腑に落ちる教え方を。
※先生は、小学生がみたら絶対に笑いそうな身振り手振りを交え、
体全体を使って漢字を教えていきます。先生が率先して多感覚(笑)
「笑わせながら関心を引く」「体全体を使って語る」 。カードに書かれていないですが、教え方の大事なポイントです。
※これもカードには書かれていませんが、先生は1つの漢字を教えるのに、部首の由来や語源も、すごく生き生きと説明します。ストーリー性抜群です。それらは『視覚障害者の漢字学習』という本にまとめてあるとのこと。漢字辞典なども参考になると思います。
皆様からお寄せ頂いた話を総合すると、道村式漢字カードに書かれていること(部品を唱える)だけでは覚えられない場合、こうした由来をストーリーとしてたくさん語るのが、どうやら効果があるようです。

「青の上」(最初の4画)も、「あおのうえ」という部品にすることで、
一度「青」が書けるようになれば、子供は「何本だっけ?」と迷わなくなる。
これをさらに「よこ・たて・よこ・よこ」と分解すると線構成になってしまう。
「既出の部品を活用して、新出の漢字を楽に覚える」これも道村式漢字カードの大きなポイントです。
~ ~ ~

ひらがなとカタカナを同時に教える
教科書では、小1の1学期はひらがなの練習。9月から漢字の練習が始まる。
カタカナの練習も、夏休み明けから。この時期は学習意欲が低下しているので、インプットが悪い。
その結果、6年生になっても、カタカナが読めるが書けない子がいる。

カタカナの多くは、漢字の部品になっているので、きちんと覚えたい。
そこで、ひらがなとカタカナを同時に教えるべき。
「ソ」「ハ」を正しく教えれば、漢字でもこれらの部品が出てきたときに、向きを迷わなくなる。
カタカナの足し算で、上の学年の字も書ける。
※理想はそうですが、、ディスレクシアにとって、カタカナはとても覚えづらいように見えます。たぶん、アルファベットと同じで、ディスレクシア的には単位が小さすぎかつ字面が単純すぎるのだと思います。カタカナというもの存在は早くから教えつつ、完全に書けなくても、左右が反転しても、かまわず漢字に進み、漢字(大)の一部としてカタカナ(小)を教えるうちに、だんだん定着するのではないかと、個人的には推測しています。

2~3年の漢字では、頑張って覚えることと、そうでもないことを区別するべき
2~3年で、漢字の重要な部品の多くが登場する。
例えば「ふるとり」。初出のときに丁寧に教える。そうすれば後が楽になる。

すべての漢字を完璧に正しく、格好もよく、というのは欲張りすぎ。書き順、とめはね、線の長さのバランス、そんなことまで初出で要求されたら、特に書くのが苦手な子供はいやになってしまう。
例えば、「竹」の6画目のハネは、初出の時にはあまりハネていなくてもよしとする。それは第2ステージでのこと。
「食」の3画目のテンが垂直か斜めかは、書体の違いであり、これは間違いとは見なさないと文科省も言っている。学校の先生は教科書体しか許さないけど(※以下参照)
書き順も後回しでいい。でも「口」の書き順は、徹底させたほうがいいけど。
・・・といったふうに、細かいところについては、子供が書く時の特徴を見ながら、どうしても直してほしいところだけを直すようにする。

「文化庁はいま、・・・手書きの漢字が正しいかまちがっているかは、ゆるやかに判断してほしいといいます」
※「書き順は後回しでいい」と先生は背中を押して下さいますが、
道村式カードの長所は、カードに書かれている通りに言えれば
書き順も整うところだと、私は感じてます。
「集」を右下から書くようなことが、なくなります。

親が率先して楽しむこと!!
家で子供と漢字学習をするとき、お母さんが『やりなさい』と言うだけ、あるいは『面倒くさい』という姿勢を示していては、子供は覚えない。お母さんが率先して楽しむこと。
漢字辞典でも引き、『へえ~、家の下はぶたなんだ!』。子供そっちのけで『そうなんだ~』と言うくらいに。
このくらいの年の子はお母さんが大好きなので、寄ってくるはず。
まずお母さんが漢字に興味を持つこと。自分が感動したことだけを子供に聞かせればいい。
※「教える側が率先して楽しむ、時には演技を交えるくらいのつもりで」。これも道村式カードの教え方の重要ポイント。腑に落ちた人が多かったようです。

学校との兼ね合い。2~3年の部品をしっかり覚えること。
学校では4年以降、漢字を1字ずつしっかり教える時間はない。
普通級の先生は、クラスに35人もいたら、気になる子がいても対応できない。
部首名とその意味は、家庭でしっかり教えるべき。親が時間をとってつきあうことが必要。
学校には「しばらく、家でしっかり復習しますので、見逃して下さい」と言う。

漢字は、2~3年生に主な「部品」(漢字にいっぱい使われているが名前がないパーツ)のほとんどが出尽くし、高学年になるとその組み合わせがほとんどになる。
だから、2~3年生の漢字をしっかり覚えることが大事。
高学年で漢字が書けずに苦しんでいる場合は、2~3年生の漢字の復習に戻るのがよい。復習には1年もかからない、数ヵ月で終わることが多いし、2~3年の復習が終われば本来の学年に戻ってよい。
戻るのは、部首・部品の名前を覚えるのが目的。

その際、学校には、宿題の量を加減してもらうよう頼むのが理想だが・・・
現在、学校では「平等」の名の下に、同じ宿題の量が全員に課されている。普通の子なら15分ほどで終わるが、ディスレクシアの子は何時間もかかってしまう。これが平等ですか?と言いたいところだが、親も先生もそこまで踏み込む勇気がないのが現状。
個にあった支援とは、「大丈夫か」と声かけすることではなく、こういうことなのだが。
※ここで、「衣のした」(3画目以降)、「長いの下」の(6画目以降)の
部品の唱え方を練習したのですが、、
一同、道村先生に「おそい!」「声が小さい!」
「もっとリズムよく!」「はっきり!」と叱られました(笑)
九九をやや早口言葉で言うくらいの、かなりのハイペースです。
教える側がテンポよく、楽しげに唱えることがポイント。
「ああ、ここが出来てなかったかも」と思った人は多かったに違いありません。
~ ~ ~

⑥音と訓を1つずつ、セットで覚える
読みが苦手な子は、音読みを苦手とすることが多い。
特に、光村図書の教科書(最大手)では、音読みと訓読みをバラバラに教える。
学校では、何年も先になって登場した音読みをわざわざ教えることはしない。
これが音読みの苦手な子をつくる原因のひとつになっている。

漢字はほぼ必ず音読みがある。しかもカ行とサ行が多い。音読みが中国語に由来していることと関係があるのだろう。
1つの音と訓を覚えることが大事。
そこで、道村式カードでは「漢字のタイトル」と題し、音と訓を1つずつ同時に提示している。
この音読みは、『NTTデータベース・日本語の語彙特性』をもとにしている。1万人が聞いたら6000人以上が分かる、親密度の高い語彙だけを使用。しかも、視覚障害者のために、同音異義語はほぼ全く含まれていない。(※すごい!!)

「確ニンのニン、みと_める」が「漢字のタイトル」
私も教材を自作するのでわかりますが、センスの良い例文って、本当に難しいです。
生徒にわかる表現、明るく前向きな内容、応用が利きやすいこと、
また、ポイントの理解を邪魔しない内容であることが必要ですが
そんなセンスの良い例文を載せた辞書や問題集は少ないです。
「漢字のタイトル」の音読みに選ばれた単語のセンスの良さが、
私は道村式漢字カード最大の長所だと思っています。


2つ以上の音は後回しでいい。
同音異義の漢字を覚えるのは第2ステージ。カードに書いてあるが、ディスレクシアならここは不要。


唱えるとは、自分のことばで言うこと。
カードのおもて面を見ながら、リズムよく唱えることが大事。
例えば「修」を見て、字を目に焼き付けながら、「にんべん・たて・のぶん・さんづくり」と唱える。
3回言わせる。そのときに、頭の中にイメージが浮かんでいるはず。
それから初めて書く。
1つの漢字につき1日1回が、書く限界だと思います。
※経験上、唱えるのは意外と大変なことです。ディスレクシアな子が、言うより書くほうが楽なので書こうとするほどに∑( ̄0 ̄
書こうとするのをあえて止めて、「言えれば書けるんだから」と言い聞かせて、唱えさせることもありました。 それがよかったと思います。
~ ~ ~

自立に必要な最低限のことは、絶対に身につけなければ
発達障害を持つ子の親が「うちの子はあれがダメ、これがダメ」「うちの子にあった方法を探してほしい」と学校に言うのをよく聞く。今は子供が拒絶すれば、その子にあった方法をさまざまな方法のなかから選べる時代でもある。
しかし、これを視覚障害児の置かれた状況と比べた場合・・・視覚障害があったら、泣こうがわめこうが、覚えるべきことは絶対に覚えなければならない。
全盲の子、弱視の子は、普通の子よりもできることはずっと少ない、すべて同じようにできるようにはならない。全盲でかつ発達障害を持つ子もいた。入る言葉は少ない。それでも自立に必要な最低限のことは、絶対に身につけなければならない。
最低限がどこかは、本人を見ている親と教師が決めること。見極めが大事。
「最低限ここだけは」を半年間続ける。続けさせるのは親の責任。先生は1年で担当を離れてしまうもの。生徒の将来は親が責任を持つべき。
最低限を、手を変え品を変え、頑張らせると、いずれ芽が出てくる。

※会場が静まりかえった、渾身のメッセージ。漢字が読めることが日本で生きていくために必要不可欠というのは、本当に切実な事実です。英語とはまったく重さが違います。「自立するために漢字は必要、だからがんばろう」という大きな展望を、教える側が見せる必要があるということです。目の前の漢字テストをクリアするために必要なのではなく。
教える側が、あきらめず、怒らず、「絶対に入れてみせる」という気迫を持って伴走するんだというメッセージを、私は受け取りました。
~ ~ ~

そのほか、質疑応答を走り書きしたメモから・・・

●校長先生にいきなり文句を言うのは×。うるさい親と思われたらおしまい(会場から苦笑が)。先生と親がなんとかうまく手をとりあいながら、同じ目線で進むのが理想。

●中学生以降の漢字学習で、どこまで戻るかは、本人のプライドがある(ので難しい…)。小3までは素直。4年以降、漢字の習得率が低下するのは、全国的な傾向。

●技術の進展により、いずれ書くことが必要のない時代が来る。どれだけのことを妥協するか。一方、これだけはということは頑張ることも大事。

●字が苦手な子も、できれば、できるようになりたいと思っている。そういう子には部首名を教える。その気にさせてあげることが重要。

●社会で自立させることを考えると、指示待ち人間に育てるのは×。「これ(漢字)ができるようになりたい」と思わせることが大切。

☆ ☆ ☆

当日の朝、うちの実験台(道村式漢字カードで5~6年の漢字を習得。
現在は読みにはほとんど支障はないが、漢検5級に落ち続けてます^^;)
に聞いたところ
(道村式漢字カードは)「俺には合ってたよ。」
(どこがよかった?)「よくわかんね。使いやすい、かな。」
(これが合わないと言う人には何と?)「これは"愛のムチ"」
とのことでした。
愛のムチ!!
実は道村先生自身からも、終了後この言葉が出たので、びっくりしました。

次回は録画して、その気迫と語り口を他の方にもお見せしたいと、先生と話しました。
道村先生、ありがとうございました!

道村式漢字カードのお求めはこちら→ 

2016-05-21

「カード」をめぐる2つの特別セミナーを行います!

すでにこちら→でお知らせしておりますが、
「カード」に関する2つの特別セミナーを行います。

5/25(水):特別セミナー「ディスレクシアでも漢字が覚えられる!道村式漢字カードの活用法」

5/25(水)は、当ブログでも取り上げてきた道村静江先生をお迎えして
「道村式漢字カード」の使い方を、たっぷりとお話し頂きます。
教室で子どもに教える実演も行って頂きます。
質疑応答の時間も十分にとって、
読み書きが苦手な子に道村式漢字カードを使って漢字を教える方法について
議論する予定です。


道村式漢字カードについてはこちら→
漢字を、部品に分けて唱えることで、"書かずに"覚えるカードです。

私は、道村式カードの販売のお手伝いをさせて頂いた折に
先生がカードを使って教える様子を少しだけ拝見しましたが、
聞き手をぐいぐい引き込む力は、すごいものがあります。
のせられるままに言い、気がついたら書けていた…という感じです。

また、カードに書かれていないこと(字の成り立ち、部首の意味など)も
先生はもちろんご存知で、それらも上手に使いながら漢字を紹介していきます。

いま、ディスレクシアなお子さんの漢字指導に苦労されている方、
道村先生が実際に教える様子をご覧になったら、
きっと漢字の家庭学習の方法について、何かヒントを得られると思います。

道村先生は保護者向けにこうしたセミナーを行うのは初めてとのこと。
ふるってご参加下さい!
お申し込みはこちら→


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6/7(火):特別セミナー「読み書き困難を抱える子どものための、BBカードの使い方」

6/7(火)には、BBカードの開発者、難波悦子先生をお迎えして、
「BBカード」の使い方を、こちらもたっぷりとお話し頂きます。
こちらも実演があります。
質疑応答では、BBカードをディスレクシア英語教育に活用する方法について
議論する予定です。

BBカードは、私自身がいま消化している最中です。
「全体から部分」の順に教わることを好むディスレクシアの子にとって
特に小学生の頃に英語を学ぶのに適してるのではと思っています。

BBカードの特徴は、難波先生いわく、"教えない"こと。
教えない=「すでに知っていることをベースに気付かせる」ことだそうですが
これが深い。。ディスレクシア英語教育のヒントだと思っています。

難波先生も、非常にテンポよく、速いくらいの調子で進めていきます。
ビンゴをしているうちに、子どもに呪文のように基本例文を定着させ、
それをベースにして、文法も教える気付かせていきます。

こちらもふるってご参加下さい!→

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私自身も、この2つの特別セミナーからいろんな手がかりが得られる予感がして
2人の先生方のお話が、今からとても楽しみです!

面白いと思うのは、子供に適した教え方を模索しているうちに
両先生とも「カード」という形式に行き着いたこと。
しかし、カードに書いているのは、日本語は漢字、英語は例文であること。
「最も効果的に応用できることばの最小単位が、日本語と英語では違う」
ことを、表しているのでしょう。

両先生とも、とてもパワフルです。
道村先生は60代(!)、難波先生は80歳(!!)ですが、年齢を超越しており
話し始めるとパワーがどんどん出てきて止まらないのも共通しています。
「ディスレクシアのことは数年前まで知らなかったけれど、
言われてみればそういう子は確かにいた・・・」
と振り返っておられる点まで、共通しています。

子どもを観察する力がものすごく高く、
さらには、それを教材やメソッドにまで持って行ける力をお持ちの
偉大な先達のオーラに、ぜひこの機会に触れて頂きたいです!!





2016-05-16

第1回「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」を行いました。

先日、「読み書き困難の子への英語の教え方をシェアする指導者の会」
の第1回を行いました。
お越し下さった方、ありがとうございました。
不手際も多く、また、一人一人にきちんとご挨拶できず、
申し訳ありませんでした。

この会は、3月のUD研究会の終了後、参加者同士で話しているなかで
「英語講師と、こういう話をする機会はなかなかない。
こういう場を定期的に持てないだろうか」
という声があがって、立ち上げたものです。
ありがたいご高説を学ぶというよりも、
発表者の議論を出発点にして参加者で議論し、
ディスレクシアや発達障害の子にやさしい(=すべての子にやさしい)
英語教育を模索していこうという主旨の会です。

今回は、勉強したいという保護者の方も、全体の4分の1ほど来られました。
私自身、これまでいろんな研究会や学会に潜入してきて
「お母さん必死ですね( ´,_ゝ`)プッ」という目には何度も遭っているので
熱心な保護者をできれば排除したくないのです。
この業界、専門職の保護者(教師、医師、薬剤師など)が不思議と多いですし、
そうでなくても、力のある保護者は、教える側に働きかける力を持っています。

保護者の方には、
「"自分の子をどうにかしたい"を超えた所で、積極的な発言をお願いします」
と申しました。

集まった指導者の方も、保護者との協力は不可欠というスタンスでした。
率直で建設的な議論ができたことを、嬉しく思います。

「さらに具体的な教え方のノウハウを知りたい」という声もありました。
次に発表する方々、よろしくお願いしますね~
(次回は9月上旬に行います。詳細は後日告知します)

記憶に残っている主なことばをご紹介します。

◆「グレーゾーンの子」の存在。
記念すべき最初の発表は、大手の英語教室で児童英語講師をされている方。
「発達障害ではないか」と未就学段階で気付いた子に、
親に言うことなく、どう対処したか/対処できなかったかという話でした。

私も予備校で、本人にさえ「キミはディスレクシアだね」などとは言わずに
対応を変えているので、よく分かります。
こうした話は、実践報告や学会の研究発表では、表に出てきづらいものです。
それだけに「グレーゾーンの子に、それと指摘せずに配慮する」
という教師側の心構えは、大事と思いました。


以下は、私が話したことです。

◆ジョリーをアレンジすること
ジョリーフォニックスは、現地の未就学児~を対象に作られたパッケージ。
日本のディスレクシア中学生に使う場合は、アレンジしたほうが効果的。

ディスレクシアであっても、年齢が上がるほど、1回にできる量が多くなる。
中2なら1回に10字程度、高校生なら20字以上。
一覧を使って全体像を見せるべき(「英語の字はたったこれだけだよ」と)。

生徒に刺さる多感覚も、幼児と中学生では変わってくるのは当然。

例えばアクションは、うちの実験台(小5男ディスレクシア)には徹底的に教え、
つい最近までスペルが分からないときはアクションをヒントにしていたが、
中1で「アクションは子供っぽくて恥ずかしい」と言う子もいる。
ませてくる年頃になると、アクションは難しくなるらしい
(「左脳で英語を学ぶようになる頃が境界線」と指摘を頂きました)。

もじこ塾春期講習では、
「教師の発音と、生徒の発音を、交互にiPadで録画したもの」を作り、
それを再生して言えるようにすることを、宿題にした。
自分の声を自分で聞くことは、記憶定着効果が抜群な多感覚。
また、教師の発音と生徒の発音が交互に入っているのを聞くことで、
修正しやすいという効果もある。

◆日本のディスレクシア中学生とフォニックス
海外ではフォニックス不要論もあるようだが、
それは、母語として英語を使っている環境での主張であることを認識すべき。
また、フォニックスにはアナリティック
(←現在日本のフォニックス最大派閥である松香式はこちら)
と、後発のシンセティック(←ジョリーはこちら)の2種類がある。
フォニックスの議論をするときは、
どちらのフォニックスの話をしているのか、注意する必要がある。

外国語として英語を学ぶ場合、音と文字の対応
(アルファベットの各文字を、どのような音に対応しているか)を教えるべき。
特に、ディスレクシアだと、音と文字の対応に自力で気付けないので、
教える必要がある。

フォニックスは英語学習の長いはしごの、最初の1段にすぎない。
フォニックス後も、おそらくは大学受験の英語まで、
ディスレクシアには普通とは異なるアプローチが必要になる。
しかしながら、thisをなんと読むか、
中3の1月まで分からないディスレクシアもいるほどなのだから、
ディスレクシア的にはフォニックスは不可欠。


◆聞く→話す→読む→書く




日本にいる普通の人(非ディスレクシア)の英語力は、
「読む」力が一番大きく、
それとほぼ同じくらい、「書く」力があり(※単なる書字能力)
それから一回り小さく「聞く」力があり、
さらに二回りくらい小さな「話す」能力がある。

教育方法としても、「読む」の円を大きくすることに主眼がおかれている。
字が得意な子は、「読む」から外国語に入ることができ、
「読む」が大きくなると、「書く」もおのずと大きくなる。

だが、ディスレクシアの英語力は、「聞く」が一番大きく、
それとほぼ同じくらい「話す」能力がある。
その半分くらいの大きさの「読む」円があり、
そのさらに2割くらいの大きさの「書く」円がある。

ディスレクシア英語教育は、大きい円から順にアプローチすべき。
つまり、「聞く」→「話す」→「読む」→「書く」の順に。
1)「聞く→話す」で文法力をどこまで伸ばせるか
2) 「話す」力に、「読む」力をどこまで近づけられるか
3)「読む」力に、「書く」力をどこまで近づけられるか
が、ポイントになる。

なお、「聞く」ときも、文字を見せながら。
文字を見せながら読んであげるのが「聞く」、
文字を自力で読んでもらうのが「読む」こと。

#という話をしたところ、
#「外国に行ったときの英語の学び方は、右ですよね」
#「四技能の学習方法は右であるべきだ」
#「右の円の外側に、「英語を遊ぶ」という円を描きたい(=モチベーションの円ですね)」
#などの感想を頂きました。

◆bとdは、ディスレクシア的には最後まで鬼門
「bとdの区別をどう教えるか」という話が出ました。
ベッドの絵を描くとか、ボールとバットのアクションとか、色々出ましたが、
予備校講師的には、bとdは、ディスレクシアなら最後の最後まで間違う
と言いたい!

butとdotを、年間で5回も読み間違えて、
読解に詰まって気絶しそうになったり、設問を間違えて頭を抱えたりして、
それでもW大に合格したりするのが、ディスレクシアです。

「bとdの区別ができなかったら、先に進めないよ!」
と、bとdだけの猛特訓をするのではなく、
何度でも、さらっと「あ、これbutだよ」と指摘するにとどめる
(↑こちらのテンションはできるだけ地味に。大げさに指摘しない、笑わない)
ほうが、この件に関しては効果的だと思ってます。

2016-05-11

大人ディスレクシアから教えられる「信じて待つ度量」

大人ディスレクシアのお話は、いつも含蓄に富んでいて、
重いテーマをもらうことが多いです。
これまでも何人か、そういった方とお話しする機会がありましたが、
どの方も話が深すぎて、考えこむうちに文章化できずじまいでした
(該当者の方にはこの場を借りてお詫びを)。
なので、今回はまとまらないなりに、書いておきます。

~~~

その方は奇しくも私と同学年で、出身地も同じ(横浜)。
今は妻子もあり、会社を経営しておられる、ディスレクシアです。
これまでの人生を、ご本人の口から聞くことができました。
一言でまとめれば「同期にこんなに波瀾万丈な人がいるとは!」
私とはまったく違う人生を送ってきた方と、
ディスレクシアという共通項でつながる不思議。
そして、やんちゃな半面、一言一言に含蓄がある方です。

多くを語りませんでしたが、小学校ではバカ扱いされ、
相当ひどい目にあったようです
(「今でも小学校の先生に会ったら殴れる」とのこと(- -;))
中学ではついに非行に走るも、
高校で良い先生との出会いがあり、更正したそうです。

これを聞いて、私が小学校の頃にバカ扱いされていた人を思い出しました。
クラスに何人か、漢字テストを何回受けてもほぼ0点という人がいました。
先生にも生徒にもバカにされていましたが、
思えば、その人たちのかなりの部分は、ディスレクシアだったのでしょう。

私は、字が人一倍得意というだけで、なんと過大評価されてきたことよ…
と申し訳なさでいっぱいになりました。
もじこ塾は、"若い頃、鼻持ちならないやつで、ごめんなさい"
という懺悔企画なのかもしれません。

☆ ☆ ☆

その方は、その後も波瀾万丈。
いわゆる、普通に大学を出て就職して、、という人生ではありません。
また、詳しくは控えますが、人より事件や事故に多く遭遇しています。
(事件はともかく、事故はもしかしてディスレクシア的なのかも?)

正義漢でもあります。
「自分は人の言うことを聞かない。親の言うことも聞かない。
仲間を守るために、上の人にたてついてしまう」と繰り返し言っていました。

私の仮説ですが・・・
ある種のディスレクシアは、弱者に寄り添う能力を持ち、
我が身を省みず権威にたてつくようになるようですが(周囲に事例複数あり)
この方もそのタイプとお見受けしました。

☆ ☆ ☆

いま、人を採用する立場になられて、
「中卒や高校中退の子のほうが、営業もうまいし、ちゃんと働いてくれる。
一流大学卒の人たちが、仕事が出来るとは限らない」
と言い切っていましたが、その半面、
自分が若い頃のほうが、勢いで仕事につけた。今のほうが難しいかも」とも。

この言葉は重いです。
私自身は、子のおかげで、学歴信仰から抜け出すことができました。
「子がディスレクシアで最もよかった点」の一つと思っています。
無駄に学歴だけはある者(笑)にとって、
このピラミッドから外れたところにも多彩な能力があるし、
違う道もあるんだと分かったことは、本当に大きいことでした。

しかし、この方は、"違う道"を歩いてきたにもかかわらず、
「今の日本では、"違う道"を歩くのは、20年前よりも難しくなっている」
と言っているのです。
う~む・・・そうですか・・・これは重いです。

☆ ☆ ☆

この方も、お子さんが学校でディスレクシアだと指摘されたのをきっかけに、
自分もディスレクシアだと気付きました。
それまでは字が苦手なのも、人の顔や名前が覚えられないことも、
英語ができないことも、"性格"だと思っていたそうです。

これも多くは語れないのですが・・・
そこには、小説のように美しい、ディスレクシアな父子関係がありました。

「息子は、時間を守ること、あいさつ、敬語、人づきあいが
きちんとできればいいと思っている。
彼はそれを身に着けつつあるので良かった。」

もうちょっと成長すれば、人の痛みが分かるようになるだろう
読めないことで、彼はそれを早くに知ることができる」

。゜。゜(ノД`)゜。゜。
こういう指摘って、なかなか母親からは出てこないですよね。

☆ ☆ ☆

「ディスレクシアは治るんですか?」
と、ストレートに聞かれました。
この問いには目が点になりました(゜Д゜)
だって、ご自身の今のご活躍されている様子が、答えそのものなのに!

無粋ですが、もうちょっと説明してみると、
「ディスレクシア的な性質は、一生続く。
それを持ち味として生かし切ることで、社会人として問題なくやっていける。
読み書きの苦手は、日本語はまあカバーできる。英語は大変だけど…」
まとめると、治るというよりは
「得意を発展させることで、苦手が覆い隠される」ということらしいです。

(この方は、現在は、日本語は特に問題なく読み書きできるようです。
カタカナだけ、若干あやしいようです。
マンガで字を覚えた、親が厳しかったとも言っていました。)

☆ ☆ ☆

経営者としての発言からは、かずかずの修羅場をくぐった深さを感じました。
そこから、
「ディスレクシアは、学習面では、完成形に達するまでに普通より時間がかかる。
だが、意識を高く持って、時間をかければ、いずれは到達点に達し、
しかも、到達したときには、普通の人以上に深い洞察を得る」
という「ディスレクシア=遅咲き」説を改めて確認しました。

この方も、15や18のときの、テストの結果はどん底だったでしょう。
20代でも、上司に啖呵切って会社をやめたりして、周りをはらはらさせていたかもしれません。
でも、40代も半ばにもなると、同年代の安穏と過ごしてきた人よりも、一つひとつの指摘が深いのです。


お話ししていて、「ディスレクシアな子の力を信じて待つ度量が必要なんだ」
と、改めて感じました。
読み書きの訓練はこつこつ続けるべきですが、
「遅咲きなんだからゆっくり行こう」と、ど~んと構えることも
ディスレクシアの子には同じくらい必要なのです。
(学校だと、どうしても、すぐに結果を出すことが求められますが…)

~~~

そのほかでは、
・同い年で、同じ横浜にいたのに、見ているものがだいぶ違う!
80年代の中華街や本牧、寿町がいかに怖かったかを話して下さいましたが、
そういうことを高校生で実体験しているなんて・・・
私ときたら、サーティーワンに行ったらすごく寄り道したと思うような、
超~まじめなガリ勉高校生でした(苦笑) なんかくやしい。
これも、字が読めることがもたらす損でしょうか。

味覚と嗅覚がとても敏感だそうです。
(私はなぜか、そういうディスレクシアによく遭遇します)
しかも、おいしいものを食べたら、自力でほぼ再現できるのだそう。

・人が話している声を聞くと、人が話している映像が思い浮かび、
そこから意味を理解する(??!)そうです。
声を聞いても、文字は浮かばないようです。
(もしかして、声を聞いて文字が浮かぶのは、私だけでしょうか?)

・「障害と言われて一人だけ違う扱いを受けるくらいなら、
バカと言われるほうがまし。
学校に負い目は作りたくない。きっと息子もそう思ってるはず」
・・・はい、うちの子もそう言ってます。
学校に何を求めていくかについて、難しさを感じました。

2016-05-05

【翻訳】ディスレクシアへの音楽指導

1年ほど前に、
「楽譜が読めない生徒がいます。実はディスレクシアなのかもしれません。
このような生徒に、どうやってピアノを教えたらよいでしょう?」
という質問を頂きました。
その方のために訳したものを、以下に紹介しておきます:

Music and Dyslexia: A Positive Approach
(音楽とディスレクシア:ポジティブなアプローチ)より

ディスレクシアの子にピアノを教える際に、一番やってはいけないのは、
楽譜を読んで音名なり階名なりを言わせること

音符と体の感覚を直接結びつけさせるとよい。
例:ピアノの正面に立ち、両手を脇にだらんとたらした状態から、
ピアノの上に一番自然な状態で置いたときの音を「ホームポジション」として、
五線の上の音符と結びつける。

・少し覚えたら・・・
床にガムテープを貼って巨大な五線をつくり、音を聞かせて、
生徒には自分が五線紙の上の音符になったつもりで移動してもらう

要は、多感覚的に楽譜という記号と音を結びつけ
その際、階名や音名はディスレクシアにはさらなる負担になるので介在させない

~ ~ ~

上を訳したときに、当ブログにもいっとき多数登場した
コスモ君(→水を得た魚のように音楽に夢中)のお母様に意見を求めました:
ヘ音記号の音符は覚えて下さいと言っています。覚えやすいそうです。耳コピが得意なので耳でも取ってますが、中級以上は楽譜が複雑になり、音符を読んでると言うか確認しているようです。
楽典も習ったので、調の違い、隣り合う音の関係性などの理屈を
解っているのも助けているように思います。
音楽を好きならそのうちに読めるようになる、諦めないで」とのことです。

改めて読むと、英語の学習方法とまったく同じですね。
多感覚、聞く→言う(弾く)→読む、文法(楽典)が役に立つ、
そしてモチベーションが原動力になることなど…

----------------------------------

話が低俗になりますが、子(中2、楽譜読めない)の最近のマイブームは
ゲーセンでの太鼓の達人です。myバチまで持ってます。
また、今頃になって日本語の韻が気になるようで、ラップで返事をしようとします。
彼にとっては、ことばはまず「リズム」のようです。
「話す」と「歌う」、「しゃべり」と「ビート」が地続きです。

しかし、ディスレクシアといっても全員がそうというわけでもないようで、
上のコスモ君は「僕はタイタツ(太鼓の達人)はま~ったくできませんよ」
と言い、実際できませんでした。。

~ ~ ~

Dyslexic Advantageの有料メルマガに、最近、
音楽とディスレクシアの記事があったので訳しました。
以下の話は、「ディスレクシアはリズムを把握するのが難しい」
つまりコスモ君タイプがディスレクシアの王道と言っているように見えます・・・


音楽とディスレクシア
多くのディスレクシアの音楽家にとっての大きなハードルは、楽譜を読むことである。
ほとんどのディスレクシアの音楽家は、読譜ではなく、耳で拾って演奏することを好む。1990年代の研究によると、ディスレクシアの音楽家が直面する主な困難は

・楽譜を読むこと
・スピードを処理すること
・左右を区別すること
・時間(time)とリズム
・音符やフレーズをシークエンスにすること(sequencing notes or phrases)
・なめらかに演奏すること
・暗譜をもとに演奏すること
・位置を把握すること(keeping place)
・集中すること

ディスレクシアが音楽を学ぶための戦略
1. まず行う、そのあと話し合う(スズキ、コダーイ)
2. 弾こうとする前に、まず録音を聞く。
3. タイミング?(time)とリズムは別々に伸ばす。
4. 音楽用語の意味をはっきりさせる。
5. その子に適した楽器を選ぶ。
6. 体の使い方を意識する。最初はゆっくり演奏して、指使いを覚える。それからだんだんスピードをあげていく。さまざまなスピードで演奏してみる。
7. 音階(scales)を学ぶ。音楽のパッセージを体で感じ、もう一度それを見たときに「あれだ」と分かるように。
8. できれば、理解ある先生と一対一で練習する時間を持つ。
9. 弾きたい曲の名演奏を聞く。
10. 自分の進歩を前向きにとらえる。
11. リズムを体にしみこませて覚える。太ももや腹をたたいて、パッセージの感覚をつかむ(クラシックの場合でも)
12. シンプルなパーツから始め、だんだん加えていき、スピードをあげる。
13. 1曲を学ぶときは、少しずつに分けて。音楽家のなかには、短いフレーズを聞いては演奏することを繰り返しながら、次第に1曲全体をマスターする人もいる。
14. 作曲にはMIDIキーボードを使う。


2016-04-29

お礼+感謝企画のお知らせ

もじこ塾保護者向け勉強会の動画をご覧下さり、ご寄付を下さった皆様、
心から感謝しております。ありがとうございます。
お一人お一人にお礼を申し上げるべきところ、このような形で失礼いたします。
ディスレクシア英語教育をより一層普及させるべきの皆様のお気持ち、
しっかりと受け止めました。

ここをご覧で、
「自分はディスレクシアだと思うけど、親にはとても言えない/
いくら言っても聞く耳を持たない」とお悩みの受験生がいたら、ご一報下さい。

4月中に、春期講習のご感想、保護者勉強会のご感想、
動画を見てのご指摘、ご質問など、本当にいろいろ頂いております。
ありがとうございます。
お返事が間に合っておらず、大変申し訳ありません。
少しずつ、ここでの記事の形で、または直接返信していきますので、
どうかいましばらくお待ち下さい。


感謝企画につきまして。
5/7(土)の13:00~17:00(ご都合によってはその前後も)、
都心で無料学習相談会を行います。
(中1ショック対策会を行おうと思って会場をおさえたのですが、
諸般の事情から中止しました)
もじこ塾の対象年齢以外の方、特に英語に困っている大人ディスレクシアの方で
この機会にディスレクシア的な学習相談のある方、ぜひお越し下さい。
もちろん、中1ショック対策をご希望の方も歓迎します。
詳しくはこちら→

また、週明けには特別セミナーの告知ができる予定です!
ぜひご覧下さい。