ディスレクシア専用英語塾「もじこ塾」のブログです。 ●ディスレクシアとは:知能は普通だが、読み書きが苦手(読み間違いが多い、読むのが遅い、書き間違いが多い、読むと疲れやすい)という脳の特性 ●全体像の把握、物事の関係性・ストーリーの把握、空間把握、ifを考えるシミュレーション能力に長ける ●読み書きの困難は、日本語より英語に出やすい ●適切に対処すれば、読みの問題は表面上は克服される ●10人に1人程度いるというのが通説 ●家族性とされるが、ディスレクシアの表れ方は個人差が大きい もじこ塾は、ディスレクシアはこれからの社会に不可欠な才能、でも日々の学習では普通と違うアプローチが必要、という立場です。

2013-02-11

NHKニュースウォッチ9「ディスレクシアを知ってほしい」

NHK ニュースウォッチ9
“ディスレクシア”を知ってほしい
http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/?date=130206_1


ディスレクシアの井上智さん登場。イケメン!

鳥取県で工務店経営。
 #神山忠先生もそうでしたが、ディスレクシアは大工の才能がある人、けっこう多いです。

「とっさに文章を書こうとしても、漢字が浮かばない」
「小学校の頃は、勉強は好きだったが、テストでは答えが分かっても書けずに0点ばかり。
教師に『怠け者』とののしられた」
「読み書きできないのはものすごく恥ずかしい」と涙ながらに語る井上さん(T_T)

鳥取大学・小枝教授。
#この鳥取つながりは偶然なのでしょうか。。井上さんは特別支援学級の教員をしている奥様の助けを借りて体験記を世に出したわけですが。
「ディスレクシアの要因は脳のはたらきの違いにある。」
「文字を読むとき通常の人は脳の3つの部位を使うが、ディスレクシアの人はそのうちの2つがあまり機能していない。」
「ディスレクシアの子は怠けている、やる気がないと思われがち。誤解を解き、学ぶことへのサポートがあっていい」

井上さん、おそらくDAISYを使って、PC上のテキストファイルを読み上げさせています。
iPhoneの音声認識機能(Siri)を使ってメモをとる様子も。
#ディスレクシアであっても、音だけじゃなく、音+文字の併用を好むんですね、、
「(テクノロジーで)僕の人生は変わりました」

井上さんのサイトを読んで救われたと言う母子、登場。
小5の子がディスレクシアと判明。
iPadを教科書・ノートにして、授業を受けています。進んでる!
#子に「あんたもiPadを学校で使いたいなら頼んであげるよ!」と聞いてみたところ、
「いや、おれはいい」と一蹴されてしまいました(泣)

DAISYの教科書でしょうか?
学校から貸与されたと思しきiPadに、教科書を表示させて読み、
キーボードを接続して入力しています。
「教科書の内容を音声で聞くことができ、黒板の文字もキーボードで入力できるようになりました」

家庭での漢字学習の様子。
タッチペンを使って、iPadで漢字の練習をしています。
ゆびドリルとは別の、よく似たアプリのようです。

「知ってくれているというだけで、(何もしてくれなくても) どれほど励みになることか。
こういう社会に一日も早くなるよう、その役に僕は立ちたい」(井上さん)

13/04/22追記

http://www.schoolweb.ne.jp/weblog/index.php?id=2770001&date=20130428
によると、
5月末か6月初めにNHKテレビで井上さんのドキュメンタリーが放映されます。
とのこと。
見なくては!
↓
6月15日(土)午前11時30分~11時54分
NHK
目撃!日本列島「50歳、成長中!~読み書き困難と向き合って~」


http://www4.nhk.or.jp/mokugeki/x/2013-06-15/21/34848/











2013-01-15

ディスレクシアのチェックテスト

大人用のディスレクシアチェックテストを翻訳してみました。

↓子供用はこちら↓
ディスレクシアのチェックリスト(子供用、Davis式)
文科省版ディスレクシアのチェックテスト、と見なせるもの




まずはInternational Dyslexia Association(国際ディスレクシア協会)の
「大人のためのディスレクシア自己診断ツール」→原文はこちら



以下の質問に、「はい/いいえ」で答えて下さい:

1 読むのが遅い。
2 学校では読み方を学ぶのに苦労した。
3 文章を2~3回読まないと、意味がわからない。
4 音読は好きではない。
5 読んだり書いたりすると、字が抜けたり、入れ替わったりする。または勝手に字を足してしまう。
6 見直しをしても、まだ誤字がある。
7長い音節の単語の読み方がわからないことがある。
8 長い本や小説より、雑誌や短い記事の方が好き。
9 外国語を学ぶのに非常に苦労した。
10 大量に読まなければならないような授業や課題を避けがちだ。


「はい」が7つ以上で、ディスレクシアの可能性があります。



もうひとつ、British Dyslexia Association(英国ディスレクシア協会)による
「大人のためのディスレクシアチェックリスト」→原文はこちら

以下の問いに答え、点数の合計を出して下さい。

Part 1
ほとんど
ない
時々
ある
結構
ある
ほぼ必ずそう
1 字面が似た単語を混同しがちだ
(hatとhotなど)
3
6
9
12
2 読んでいる最中、どこを読んでいるかわからなくなる、または行を飛ばしてしまう。
2
4
6
8
3 ものの名前をよく間違える
(イスを間違ってツクエと呼ぶなど)
1
2
4
4
4 右と左が混乱する
1
2
4
4
5 地図を読むのが難しい、または地図を頼りに初めての場所に行くのは難しい
1
2
4
4
6 同じ段落を何回か読まないと、理解できない
1
2
4
4
7 一度にいくつもの指示を与えられると混乱する
1
2
4
4
8 電話でメモを取ると間違う
1
2
4
4
9 正しい表現が思いつかないことがある
1
2
4
4
10 問題につきあたると、独創的な解決方法を見つけ出す
1
2
4
4
Part 2
簡単
ちょっと
手強い
難しい
非常に
難しい
11 e-le-phantのような単語(長い音節の単語、字面と発音が一致しない単語)を、声に出して読むことができますか。
3
6
9
12
12 何かを紙に書く時、自分の考えを整理して文字にすることができますか。
2
4
6
8
13 九九を言えますか。
2
4
6
8
14 アルファベットを順に言えますか。
1
2
3
4
15 文章を声に出して読めますか。
1
2
3
4




「このチェックテストは診断のツールではありませんが、研究の結果、以下が示唆されます:

44点以下:あなたはディスレクシアではないでしょう。
ディスレクシアと診断された人で45点を下回った人はいませんでした。ここから、45点を下回る人はディスレクシアでないと考えられます。

45点から60点:弱いディスレクシアの傾向が見られます。
この点数幅の人は、弱い(またはそれ以上の)ディスレクシアの兆候が見られました。一方、それまでディスレクシアとの診断を受けていない人も数名、この点数を出しました(この人達は、これまでディスレクシアだと気づいておらず、診断を受けていなかっただけの可能性があります)

61点以上:中程度または重度のディスレクシアの傾向が見られます。
61点以上の人は全員が、中程度または重度のディスレクシアと診断されました。よって、61点以上の人は中程度または重度のディスレクシアだと考えられると我々は提案します。注意:本チェックテストの結果は、学習障害の確定診断ではありません。」

追記
ディスレクシアの検査についてまとめました。→こちら

追記(15/11/09)
初めてコメントを頂いてからちょうど2年、
この記事のアクセスは現在、73000件に達しています。
ディスレクシアを調べてくる人の多さを実感しています。

今後は、この記事のコメント欄を「ゲストブック」とします。
上のチェックテストをやってみて「自分はディスレクシアかも」と思われた方、
点数と、簡単なディスレクシア的自己紹介を、よろしければぜひお願いします。
原則としてコメントなしで掲載します。どうぞお気軽に書いていって下さい^^


2013-01-11

ディスレクシアには色々なタイプがある


Neurological Differences Support Dyslexia Subtypes

の翻訳です。

・ディスレクシアには下位区分がある(いろいろなタイプがある)

・ディスレクシアは右脳に違いがある

・ディスレクシアのタイプによって、右脳のどの部分に違いがあるかも異なる


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ディスレクシアの下位区分に
脳神経学的差異が対応している

2009年6月26日:ディスレクシアは通常の読み能力を持つ人と比べ、右脳のいくつかの部位が異なることが明らかになった。MRIで両者を比べた結果、複数の神経学的な相違を発見。このそれぞれを、ディスレクシアが抱えるいくつかの言葉の困難に結びつけることができた。


エジンバラ大学のCyril Pernet氏の研究グループは、38人のディスレクシアの脳と普通脳のモデル(通常の読み能力を持つ39人のスキャンを合成したもの)を比べた。
38人すべてにおいて、右のcerebellar decliveまたは右のレンズ核のいずれかに相違がみられた。
この相違を、言語テストのさまざまな成績に関連づけることができた。

最近、ディスレクシアが単一のものではなく、複数の異なる神経認知的病理を反映している可能性があることが認められつつある。
研究者はここ数年、ディスレクシアの種類を区別する方法を探っている。
本研究は、脳構造とディスレクシアの症状の重篤度の間の直接的関連性を示す初の研究のひとつである。

「これらの結果は、ディスレクシアにはさまざまな下位区分があること、ディスレクシアの下位区分は脳の表現型の相違によって特徴づけられることの証拠となる。
また行動分析の結果、言語を基盤とするさまざまな処理(「文字と音を対応させる」「脳内辞書に迅速にアクセスする」など)の自動化の欠陥に、こうした脳の表現型の違いが関係していることが示唆される。」


-----------
ディスレクシアの現れ方は人によってたしかに違います。

例えば、ご本人もディスレクシアで、教師として実践活動もしている神山忠先生。
この方の講演「ディスレクシアについて」はこちら

「ディスレクシアの人にとって文字はこう見える」というのを非ディスレクシアにも実感させてくれて、
身につまされましたが、
子にこれを見せて「あんたも字がゆがんで見えるの?」と聞いても
「おれはこんな風には見えないよ~」と言っています。
青や黄色の透明シートをかけてあげても「特に読みやすさは変わらない」と言います。

家庭教師君も「自分は読む分には問題ない」と言います。
傍から見ると抜けが多そうなのですが、、

私が知る他のディスレクシアの高校生を思い浮かべても、
・読むのが強烈に遅い(たぶん試験時間内に終わらないくらい遅い)が、書く答案は完璧
・読むのはむしろ速いほうだが、大意把握型で細部まで行き届いていない
・内容は把握できるが、訳抜けが多い
・訳抜けが多いが、話の核心をつかんでいる
・行を飛ばしたことに気づかない(ので内容が理解できない)
・鉛筆で行を追いながら読む(読み終わった後の問題文は線だらけ)
・スペルミスが多い、and/or、漢字のミスが多い
・bとdがひっくり返る
・・・など、いろいろな現れ方があります。

難関大を目指すレベルになると、大学受験までに自分なりの「戦略」を作り上げている(または作り上げつつある)場合が多いです。

では、小学生には、あるいは難関大を目指さないレベルの子には、どのような援助ができるのか?



2012-12-19

家庭教師のこと



勉強のペースを作るには”外の風”を利用した方がいいと思い、
とはいえ集団指導は学校だけでもう十分だろうと考えて、
家庭教師をお願いすることにしました。
週1回1時間、漢字の書き取りを見てもらっています。

この家庭教師君は、おそらくディスレクシアです。

去年、ディスレクシアについて色々読んでいるとき、
 「これは××君のことだ!」
 と真っ先に思い出したのが、当時予備校で生徒だった彼のことでした。

彼は、小学生みたいな悪筆で(笑)、
漢字の間違いが多い(→これを「大い」と書いたり)のですが、
でも、文の核心をつかんだ、実にいい和訳をするのです。

英作文も、greatestを3行のうちに
greatests、graetest、greateste・・・・ などなど、
毎回違った綴り(しかも正解なし)という大技を披露。

でも、よく読んでみるとオリジナリティも説得力もあるし、
 「この子は外国人に自分の主張を難なく通じさせるだろう」
と思わせる、
「理想的なジャパニーズイングリッシュ」なのです。

字の稚拙さと、それにまったく釣り合わない、
本質をつかんだ内容とのギャップが印象的な生徒でした。
この「ギャップ」こそがディスレクシアの判断基準と、あちこちで読みます。


こう書いていくと、この家庭教師君は劣等生みたいですが…
彼は中学受験は失敗、高校は東大合格者3桁の超有名校。大学もいわゆる有名大学です。
ただし、大学受験ではセンターで失敗し、私大も某マーチレベルも含めて全落ちし、国立だけ合格しました。このあたりは、「客観式は苦手」というディスレクシアの特性そのままです。

スペック的には、彼はエリートに属するのですが、
ペーパーテストでの成功体験がほとんどないという理由からか
本人は謙虚すぎるというか、自己評価が高くありません。

ペーパーテストではかれない能力、特に対人能力がものすごく高い子です。
社交的とはまたちょっと違います。気がついたら相手の懐に入り込んでいる変幻自在な感じ。
当意即妙の受け答えをするし、メールの文章もむしろ名文に属します。

IQの非常に高いディスレクシア、いわゆる「隠れディスレクシア」の典型例だろうと思います。



そんな彼に週1回、漢字の書き取りを見てもらってるのですが・・・

二人とも漢字は大嫌いなので、熱血指導とは程遠い雰囲気です。

でも、どんなにできなくても決して怒らずからかわず、
書く漢字の4分の1くらいは書き順が間違っている先生を、
子はとても信頼し慕っています。


2012-12-06

学習障害の子は4.5%



文部科学省の調査によると、公立小中学校の児童のうち4.5%が「学習障害」とのこと。

以下、抜粋です:



小中学生の6.5%に発達障害の可能性 4割は支援受けず 

(日経新聞)

全国の公立小中学校の通常学級に在籍する児童生徒のうち、人とコミュニケーションがうまく取れないなどの発達障害の可能性のある小中学生が6.5%に上ることが5日、文部科学省の調査で分かった。推計で約60万人に上り、40人学級で1クラスにつき2、3人の割合になる。しかし4割弱の児童生徒は特別な支援を受けておらず、専門家は「支援策を話し合う校内委員会などが十分に機能していない」と指摘している。

「書く」「聞く」「計算する」など特定の分野の学習に困難を示す学習障害(LD)の可能性があるのは4.5%。




発達障害:小中生61万人 4割支援受けず 普通学級、平均2〜3人−−文科省調査・推計

(毎日新聞)
 「文章の要点を読み取れない」「簡単な計算ができない」などLDがあり、学習面で著しい困難がある小中学生は4・5%。「教室で離席する」などのADHDが3・1%。「周りの人が困惑することを配慮せず言う」などの高機能自閉症は1・1%。一部はこれらが重複していた。
 発達障害とみられる児童生徒を学年別に見ると、小学1年が最多で9・8%。成長に伴い障害が改善され、小学4年7・8%▽中学1年4・8%▽中学3年3・2%だった。
 また、38・6%は「個別指導」などの支援は受けておらず、学校内で支援が必要と判断された児童生徒(18・4%)でも6%が無支援だった。

 文科省は教員の増員を進めているが、公立小中学校の教員で発達障害の研修を受けたのは4分の3(04〜11年度の実数)。

~~~~~
それにしても、「学習障害」という表現には、どうもなじめません。
「学習障害」というと、手の付けられないバカ(?!)みたいな印象がある気がしますが、
実のところ、当事者の多くの感覚としては
「字は苦手だけど、字によって邪魔されなければ世界を十分に理解できる」
ということだと思うのです。
現代社会が字で成り立っているので、字が苦手な人は不利な状況に置かれていますが、
こんなに文字偏重社会でなかったら、のびのび生きていた人達です。

学校での配慮はぜひとも必要だと思いますが、
形式だけの支援なら、ない方がいいです。
私の知るディスレクシアの人たちに、
「あなたは学習障害があるので、支援すべき存在ですよ」
というと、きっと憤慨すると思います。

学校での支援は、「学習障害」の子を囲い込んで疎外するようなものになってはいけません。

同じ教室で勉強しながら、
漢字の採点をちょっと甘めにするとか、時間制限を少しゆるくするとか、
そういう、先生のちょっとした配慮がまずはありがたいし、
実は4.5%の大半への配慮はそれで十分なんじゃないか・・・とも思います。





2012-12-03

iPadアプリ「ゆびドリル」を9ヶ月使ってみて

「ゆびドリル」用にiPadを買って9ヶ月目に入りました。

このアプリは、ディスレクシア用というわけではありませんが、

指を使って字を書くことが、子の場合は覚えやすさにつながっているようです。

何より、本人が「これを使うと覚えられる」と思っているのが大きいです。






なぞって書いているので、一覧の字はきれいです。
本人的にとっても達成感のある光景。



iPadで5回書いてから、学校のドリルを書くと、だいぶ覚えやすいようです。

















「競」よりも「牧」のような画数少なめの字のほうが覚えにくいようです。